【中学地理・第9回】世界の気候(温帯気候)

中学地理

今回は人が最も暮らしやすそうな温帯気候について。

暮らしやすそうなのはいいのですが、雨温図の見分け方は難しい気候帯かもしれません。

四季がある

温帯は緯度的にも、赤道と極地(北極と南極)の間くらいに分布していて、暑さと寒さの両方を味わえるエリアです。

四季があり、比較的に過ごしやすいといっていいでしょう。

最近は日本でも夏はかなり暑いのですが…。

雨も降り、土壌が豊かであることも特徴です。

現在の先進国とその主要都市の多くが、この温帯に属しています。

地中海性、西岸海洋性、温暖湿潤の3つの違いをチェックしよう

温帯気候でおさえておきたい気候区は3つです。

  • 地中海性気候ちちゅうかいせいきこう
    特徴:その名前が示すとおり、地中海沿岸に多くみられます(イタリアやスペイン、北アフリカなど)。夏の日差しは強烈ですが、日本と違い乾燥しています。冬の降水量が多いのが大きな特徴です。リゾート地として発展した場所が多くあります。
    植物:乾燥に強いオリーブやブドウ、トマトなどの栽培がさかんです。イタリアって、オリーブオイルとか、トマトベースのパスタのイメージがありますよね。
    代表的な都市:ローマ(イタリア)、バルセロナ(スペイン)、ロサンゼルス(アメリカ合衆国)、ケープタウン(南アフリカ)。
  • 西岸海洋性気候せいがんかいようせいきこう
    特徴:その名前が示す通り、温帯の大陸の西側に多くみられます。西ヨーロッパ諸国の多くがこの気候区分になるのですが、緯度のわりに気候が温暖です。例えばパリの緯度はおよそ北緯48度なのですが、北緯43度の札幌よりも北にあります。これは北大西洋海流きたたいせいようかいりゅうという暖流によって温められてた空気が、偏西風へんせいふう1でヨーロッパ大陸に運ばれくるためです。
    植物:ブナなどの落葉広葉樹と、針葉樹が生育しています。
    代表的な都市:パリ(フランス)、ロンドン(イギリス)、ウィーン(オーストリア)、バンクーバー(カナダ)。
  • 温暖湿潤気候おんだんしつじゅんきこう
    特徴:大陸の東側に分布しています。夏は季節風(モンスーン)や熱帯低気圧の影響で気温が高く、湿気も多くなります。冬は大陸からの冷たい空気がやってきて、比較的乾燥します。
    植物:落葉広葉樹、常緑広葉樹、針葉樹、いずれもみられます。
    代表的な都市:東京(日本)、上海(中国)、ニューヨーク(アメリカ合衆国)、シドニー(オーストラリア)。

この3つ以外にも、じつは温帯冬季少雨気候おんたいとうきしょううきこう温帯夏雨気候おんたいかうきこう)というのもあります。

香港やソウルがこの気候区にあたりますが、小中学生はいったんスルーしてもOKです。

雨温図の見分け方

温帯は、熱帯や乾燥帯、寒帯との区別は比較的つきやすいものの、冷帯(亜寒帯)との区別や、温帯の中での気候区分の区別がちょっと難しいかもしれません。

見極めるポイントがありますので、そこをマスターしておきましょう。

まず、温帯か、そうでないかの見分け方については、「最寒月気温」がポイントです。

つまり最も寒い月(折れ線グラフの一番下がっている月)をみてみましょう。

そこが18度未満なら温帯、18度以上あったら熱帯です。

熱帯はどんなに寒い月でも、平均18度以上あるということですね。

ずっとTシャツで過ごせる感じでしょうか。

もし最寒月気温が-3度未満なら、冷帯か寒帯の可能性があります。

温帯ならどんなに寒い月でも、-3度を下回らない、ということですね。

次に、温帯の中での見分けかたです。

地中海性気候については、冬の降水量(棒グラフ)に注目してください。

地中海性気候は夏は雨が少なく、冬に多くなります。

気温の折れ線グラフで、最寒月気温をみて-3度以上、18度未満なら温帯。

次に降水量を見て、夏が少なく、冬が多かったら、地中海性気候ですね。

次に西岸海洋性気候です。

西岸海洋性気候の特徴は温和な気候です。

気温や降水量の年較差が少ないんですね。

なので雨温図はのぺっとした感じになります。

最後は温暖湿潤気候です。

この雨温図の形、最も見慣れていませんか。

東京も温暖湿潤気候なので、よく似ていると思いますが、特徴のひとつとしては、夏の降水量が多いという点ですね。

地中海性気候とは雨の降る時期が違うので、その点で区別はしやすいです。

では、西岸海洋性気候との見分け方のポイントはどこでしょうか。

上にあげたパリの場合、気温のグラフが少し上海のものと似ていませんか。

西岸海洋性と温暖湿潤は雨温図が似てるんですよね。

西岸海洋性気候は、降水量や気温の年較差が少ないというポイントがありますが、それだけだとちょっと迷う場面が出てきそうです。

なので、もうひとつポイントを押さえておきましょう。

それは「最暖月気温が22度以上か、未満か」です。

1年の中で最も暑い月、日本ならだいたい8月になりますが、その月の平均気温が22度以上ならば温暖湿潤気候、22度未満なら西岸海洋性気候となります。

上のパリと上海の雨温図を、もう一度見てみてください。

グラフの横線が降水量の方にあわせてひかれているので、わかりづらいかもしれませんが、ともに7月か8月あたりの、最もグラフの山が高くなっているところを見ると、30度くらいの上海に対し、パリは20度くらいまでですよね?

最初は区別がつきにくいですが、何回も雨温図を見て、自分なりに判定しているうちに見分けがつくようになると思いますよ。

農業や家は?

地中海性気候のエリアでは、乾燥に強いオリーブやブドウなどの果物と、冬の小麦栽培、牧畜を組み合わせた地中海式農業ちちゅうかいしきのうぎょうがさかんです。

イタリアのオリーブ畑。僕も家でオリーブ育てています。水をあげすぎないように注意しています

西岸海洋性気候では、夏が暑くなりすぎないことから、良質な牧草が育ちます。

その牧草を活かして、牧畜や酪農、小麦やとうもろこしの穀物栽培などを行っています。

こうした家畜の飼育と農業を組み合わせた業態を、混合農業こんどうのうぎょうといいます。

住居については、温暖湿潤気候は木造が多く、ヨーロッパなどでは石づくりの家が多いという違いがあります。

それはなぜでしょうか。

ひとつには、材料としての入手のしやすががあります。

例えば日本には建築に使える樹木がふんだんにありますが、地中海性気候のイタリアなどでは樹木はあるものの、日本ほどしっかりとした樹木が多くありません。

その代わりイタリアには、建築に使える石がたくさんあります。

また、木造の方が窓を大きく取りやすく、湿気が多い温暖湿潤な気候では好都合なのです。

逆に夏の日差しが強い地中海方面では、窓を小さくしても十分に光をとることでき、石で壁を厚くすることで断熱性を高める目的があったと考えられます。

チェックテスト

今回は雨温図の違いが分かりにくかったかもしれませんね。

何度も問題を解いて慣れていけば、きっと百発百中できるはず!

(雨温図だけの問題も別途作成し、後日アップする予定です)

今日はここまで。

アリーヴェデルチ!

  1. 偏西風:中緯度地帯で、常に西から東に向けて吹く風。 ↩︎

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