【中学地理・第11回】世界の気候(寒帯気候)

中学地理

今回は5つ目の気候帯、寒帯気候です。

ケッペンの気候区分としては、寒帯で最後なのですが、高山気候についても触れておきます。

シンプルに寒い

寒帯の特徴は何と言っても、とにかく気温が低いことです。

高緯度地方、つまり北極や南極に近いところに分布しています。

どんなに暖かい月でも、10度未満です。

寒すぎて、樹木は育ちません。

無樹木(無樹林)気候というやつです。

前回も少し触れましたが、無樹木気候はケッペンの気候区分の中で、この寒帯と乾燥帯だけです。

樹木は育たないのですが、コケ類が生えたりはします。

人が住んでいるエリアもあります。

熱帯や乾燥帯で暮らす人もすごいけど、寒帯で暮らしている人もすごいですね。

気候区分は2つ

寒帯気候の気候区は2つあります。

ざっくりいうと、すっごく寒いか、ものすっごく寒いかの違いです。

  • ツンドラ気候
    特徴:雪や氷が融ける短い夏の間だけ、コケ類などの植物が生えます。寒いのは寒いですが、氷雪気候に比べるとまだマシな寒さです。
    分布としては、北アメリカ大陸やユーラシア大陸の北の方です。北アメリカならカナダやアラスカ、ユーラシアならロシアやカムチャツカ半島、ヨーロッパのフィンランドやスウェーデンなどなど。南半球ならチリの最南部もツンドラです。
    植物:コケ類など。
    代表的な都市:ヌーク(グリーンランド)、ウトキアグヴィク(アメリカ合衆国アラスカ州)。人が住むには厳しいので、大都市に発展しにくい環境です。
  • 氷雪気候ひょうせつきこう
    特徴:一年中、雪や氷に閉ざされた世界です。氷が分厚く堆積しています。ブリザードと呼ばれる暴風も吹き荒れます。基本的に人は住んでいません。人がいるとすると、資源開発とか基地で何かを観測するとか、一時的に滞在するのみです。
    南極ではペンギンやオットセイ、アザラシが暮らしています。
    植物:生育不可能です!
    代表的な都市:氷雪気候に都市はありません。都市はありませんが、南極にある基地などが、氷雪気候にあたります。
南極で暮らすペンギン

雨温図の見分け方

寒帯の雨温図は比較的わかりやすいです。

特徴はまず気温の折れ線グラフ。

他の気候帯と比べると、明らかに低い位置にあり、0度以下の月が結構あります。

ただ、他の気候帯と比べなくても、単独でも見分けられるようにしましょう。

ヌークの雨温図を見てみます。

熱帯、温帯、冷帯(亜寒帯)で見るべきポイントは「最寒月気温」でした。

ここで「気温が低いから冷帯かな。最寒月気温が-3度以下だし」と判断してはいけません。

確かに最寒月気温はそうなのですが、気温が低い雨温図だと思ったら、もうひとつチェックしてください。

もうひとつの見るべきポイントは「最暖月気温」です。

年間のグラフの中で、最も気温が高い月の平均気温が10度未満であれば、それは寒帯です!

気温の数値がわかりにくいので、赤の点線を加えました。

最暖月でも10度までいってないのがわかるでしょうか。

では、寒帯の中で、ツンドラ気候と氷雪気候の違いはなんでしょうか。

昭和基地の雨温図を見てください。

※降水量は観測値がないため表示していません。

南半球にある地点なので、気温の山は真ん中がへこむ感じになります。

気温の見た目からして、すでに寒帯なのですが…。

まず最寒月は-3度以下なので、冷帯か寒帯です。

次に最暖月を見てみると、10度未満なので、寒帯で確定です。

あとは「ツンドラか」「氷雪か」ですが、ここは「最暖月気温が0度未満かどうか」で決まります。

グラフを見てみると、昭和基地は1月が最も気温が高い月のようです。

ちょっと微妙なのですが、1月もギリギリ0度に達していません(-0.8度です)。

よって、昭和基地は(ツンドラ気候に近めの)氷雪気候ということになります。

まとめると、

  • 気温のグラフが「0度よりも下のエリアにすべておさまっていたら→氷雪気候」
  • 気温のグラフで「最暖月平均気温が0度以上10度未満なら→ツンドラ気候」
  • 降水量のグラフは気にしなくてOK!

という感じです。

農業や家は?

ツンドラ気候のエリアであるカナダ北部には、4500年ほど前からイヌイットとよばれる先住民が住んでいました。

寒帯では農業をすることができません。

イヌイットの人たちはアザラシやトナカイの肉を食料にしたり、毛皮を衣服などに使ってきました。

トナカイはカリブーとよばれ、運搬手段としても使われてきました。

イヌイットの家で特徴的なのが、イグルーです。

アザラシの猟は数日ごとに移動しながら行うため、雪を集めて「かまくら」にような仮の住宅をつくります。

グリーンランドやアラスカなどでは、テントを張ったような家もみられます。

ただ、最近では暖房設備のついた家屋が普及してきているようです。

高山気候

寒帯とは違うのですが、ケッペンの気候区分にはない高山気候こうざんきこうについて、最後に少し。

高山で標高が高くなるにつれて、気温が下がります。

そのため赤道に近いエリアでも、熱帯にならない場所もあります。

代表的な都市としては、ラパス(ボリビア最大の都市/標高4071m)、キト(エクアドルの首都/標高2812m)など、南米に多くみられます。

ラパスは富士山の山頂よりも高い場所にあるんですね!

チェックテスト

イヌイットが陸で移動する際はそりを使いますが、海を移動する際はカヤックウミアックを使うそうです。

カヤックはひとりのりで、上も閉じているタイプ。

ウミアックは複数人でのり、上は閉じていません。

現在では、家屋と同じように近代化していて、金属性のボートを使うことが増えているらしいです。

今日はここまで。

アリーヴェデルチ!

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