今回は歴史編の最終回です。
平成から令和にいたる中で、特に取り上げられる問題やテーマについてみていきましょう。
グローバル化とは?
インターネットが普及し、日本企業の海外進出がさかんに行われるようになった2000年代頃から、「グローバル」という言葉がよく使われるようになりました。
教科書では「現在はグローバル化が急速に進んでいる」という感じで書かれていると思います。
グローバル化というのは「世界の一体化」とも言われているのですが、なぜこの言葉がよく使われるようになったのでしょうか。
それはひとつの国という単位だけで完結する状況ではなくなったからです。
例えば、安く牛肉を手に入れるためにオーストラリアから輸入するとか、貿易摩擦の問題を解消するために自動車メーカーの工場をアメリカにつくるとか、感染症が世界中にまたたく間に広がるとか、そういったボーダレスな、境界線がない状況になってきているのです。
地球温暖化とカーボンニュートラル
グローバル化が進む中で、特に問題となっているのが「地球温暖化」の問題です。
二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスが、地球を取り囲むことによって、「温室」のような状態をつくっており、そのことにより地球の平均気温が上昇しているといわれています。

この温室効果ガスを実質的にゼロにしようとする考え方を「カーボンニュートラル」といいます。
カーボンとは炭素のことで、ここでは温室効果ガスと考えてください。
ニュートラルというのは「中立」「偏りがない状態」のことです。
つまり「温室効果ガスの排出はゼロにできないけど、植物などが吸収してくれる温室効果ガスの量と、排出量を同じにすることで、実質的にゼロにしよう」ということですね。
京都議定書とパリ協定の違い
温室効果ガスの削減は地球規模で取り組む必要があります。
1997年に京都で、国連気候変動枠組み条約の締約国会議が開催され、削減についての取り決めである「京都議定書」が採択がなされました。
ちなみに国連気候変動枠組み条約の締約国会議のことをCOPといいます。
1997年に京都で開かれたものは3回目だったので、COP3といいます。
京都議定書は、会議で決められた目標を、先進国のみが守らないといけなかったので、その後、2015年のパリ協定で変更されました。
京都議定書とパリ協定の比較表
| 比較項目 | 京都議定書 (1997年) | パリ協定 (2015年) |
| 対象国 | 先進国のみに義務がある | 途上国を含むすべての加盟国に義務がある |
| 目標の決め方 | トップダウン(国際交渉で各国に割り当て) | ボトムアップ(各国が自分で目標を策定・提出) |
| 法的拘束力 | あり(未達成時のペナルティ規定が存在) | なし(目標提出や報告は義務だが、達成は努力義務) |
| 目標の内容 | 1990年比で○%削減といった数値目標 | 世界の平均気温上昇を「2℃未満」に抑える(1.5℃努力) |
| 不参加・離脱の影響 | 米国が批准せず、後に日本やロシアも離脱 | 米国の一時離脱(後に復帰)はあったが、枠組みは継続 |
日本はこうした地球環境問題に対して、高い技術力で対応し、多額の資金を拠出しており、国際的に一定の評価を受けています。
しかし一方で、温室効果ガスが排出が問題となる石炭による火力発電に依存していたり、排出削減目標が低かったりして、日本の対策は不十分だとする厳しい声もあります。
2つの大きな震災
平成時代の日本では、震度6以上の大きな地震がいくつかありました。
その中でも特に被害が大きかったのが、阪神・淡路大震災と東日本大震災です。
1995年1月17日:阪神・淡路大震災
阪神・淡路大震災では、連日被害状況が報道されたこともあり、全国からたくさんのボランティアが集まりました。
兵庫県の資料によると、震災後1年間で約137万7000人もの人がボランティアに従事したそうです。
震災が起きた1995年は「ボランティア元年」となり、1998年にはボランティア活動を行いやすくするための特定非営利活動促進法(NPO法)が制定されました。
現在では教育や福祉などの分野で、多くの非営利組織(NPO)が活躍しています。
2011年3月11日:東日本大震災
東日本大震災では津波などで2万人近くの犠牲者を出しました。

また、福島第一原子力発電所で放射性物質が周囲に漏れ出すという深刻な事故が起こりました。
この福島原発の事故により、それまで推進されてきた原子力発電が見直され、太陽光や風力を使った再生可能エネルギーの普及を促進しようとしています。
しかし、再生可能エネルギーは安定供給やコスト面で課題が多く、先ほど述べたように石炭による火力発電に頼らざるをえない状況です。
日本が抱える問題点
平成時代に入ってからの日本の課題には、下記のようなものがあります。
少子高齢化と人口減少
現在、高齢者(65歳以上)の割合が増加していますが、出生数は過去最低を更新し続けています(少子高齢化)。
年金、医療、介護の費用が増加し、その増加分は現役世代にのしかかっていきます。
また、人口減少により、労働の担い手が不足し、外国人労働者への依存が進むことで、外国人との共生の問題が出てきました。
少子高齢化については、下記の画面でも解説していますので、ぜひあわせて読んでみてください。
長期的な経済の停滞(失われた30年)
バブル崩壊後の日本経済は、かつてのような勢いを取り戻せない状況が続いています。
企業業績は上向いても、給料よりも物価や社会保険料が上昇し、「実質賃金の低下」が続いています。
企業も家計も消費を控える「守り」に入っている状態です。
この長期的な経済の停滞は「失われた30年」と呼ばれています。
格差の拡大と労働環境の変化
「一億総中流」と呼ばれた昭和のモデルが崩れ、所得格差が生まれています。
労働者の約4割がパートや派遣などの非正規雇用で、フルタイムでしっかり働いているのにもかかわらず、生活保護水準以下の収入で生活が困窮するワーキングプアが問題となっています。
東京一極集中と地方の衰退(地域格差)
日本国内の富と情報が東京に過剰に集中しています。
若者が教育や就職のために東京圏に流出していますが、東京では生活コストが高く、出生率が低下し、地方では働き手が不足しています。
こうした問題は独立しているのではなく、「非正規雇用で安定した収入がないので、家庭を持とうとしない。その結果少子化が進む」といった具合に、それぞれが関連しあっています。
「課題先進国」として
日本が抱えている問題は、他の先進国でも見られるものなので、最近では「課題先進国」というキーワードも出現しています。
日本がこれらの課題を乗り越えることができれば、世界的にも役立つモデルとなるでしょう。
今回あげた課題を解決するために、2015年に国連で採択されたのがSDGs(持続可能な開発目標)です。
日本を含めて世界では、17の目標を掲げ、2030年までに『誰も取り残さない』社会を目指しています。
【一問一答】「これからの日本」のチェックテスト(問題・解答)
今回は公民分野にも関係が深いテーマですね。
ニュースなどでもよく登場するので、注意してチェックしておきましょう。
これで歴史編は完結です。
全98回、お疲れ様でした!
アリーヴェデルチ!



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