【中学歴史・第72回】明治の文化|一問一答テスト付

明治時代の代表的な文化人(夏目漱石・野口英世・滝廉太郎) 中学歴史

明治時代、日本の文化は「文明開化」の波に乗って劇的な変化を遂げました。

でも、ただ西洋の真似をしただけではありません。

江戸時代まで続いた日本の伝統を守ろうとする動きと、新しいものを取り入れようとするエネルギーがぶつかり合い、日本独自の新しい形が作られていったのです。

当初は政府がリードして進められた近代化でしたが、次第に国民の間からも自由な表現や研究が生まれるようになります。

学問や芸術が、少しずつ「政治や宗教」から自立し始めたのもこの頃の特徴です。

日本の伝統 vs 西洋の新しさ:伝統の再発見と美術の進化

明治時代が始まってしばらくの日本は「西洋こそが正義!」「日本の伝統は古臭い!」というムードで覆われました。

日本の伝統的な価値観が、明治維新でいったん否定されたんですね。

古いお寺や仏像が軽視され、攻撃される廃仏毀釈運動はいぶつきしゃくうんどうも起こりました

そんなピンチを救ったのが、アメリカから来たおやとい外国人のフェノロサと、その弟子(助手)の岡倉天心おかくらてんしんです。

彼らは「日本の伝統美術は素晴らしい!」と訴え、東京美術学校を設立。

そこで横山大観よこやま たいかんらが日本画に新しい息吹を吹き込みました。

明治時代を代表する日本画家である横山大観の『秩父霊峰春暁』
横山大観『秩父霊峰春暁』 PD:Yokoyama Taikan

彫刻では高村光雲たかむらこううん(代表作『老猿ろうえん』)が、伝統的な木彫技術に写実的な表現を取り入れ、近代彫刻の道を開きます。

一方で、西洋画(油絵)も本格化します。

フランスへ留学した黒田清輝くろだせいきは、明るい光の描き方を持ち帰り、日本の洋画界に衝撃を与えました。

明治時代を代表する画家である黒田清輝の『湖畔』
黒田清輝『湖畔』 PD:Kuroda Seiki

彫刻では「近代彫刻の父」ロダンの影響を受けた荻原守衛おぎわらもりえ(代表作『女』)が活躍。

音楽の世界では滝廉太郎たきれんたろうが『荒城の月こうじょうのつき』『箱根八里はこねはちり』などの名曲を生み出し、洋楽が学校教育を通じて全国に広まっていきました。

19世紀末ごろの日本文化の課題は?
あまりにも急スピードで西洋のスタイルを取り入れたため、それらが日本人の内面奥深くまで根を張るにはまだ時間が足りず、どこか「うわべだけ」の浅さが残っていた面がありました。「新しい西洋の文化を、いかに日本の精神文化の中に取り込み、新しいものをつくっていくか」という点で、揺れ動いていました。

文学の革命:話し言葉で書く「言文一致」

文学の世界で起きた最大の革命は、書き言葉を話し言葉に近づける「言文一致げんぶんいっち」の動きです。

二葉亭四迷ふたばていしめいがその先駆けとなり、よりリアルな感情を表現できるようになりました。

また、正岡子規まさおかしきは俳句や短歌を近代的な文学としてリニューアルさせました。

日清戦争前後の時期には、人間の感情を自由に表現するロマン主義が流行します。

情熱的な歌を詠んだ与謝野晶子よさのあきこや、厳しい現実の中で生きる女性を描いた樋口一葉ひぐちいちようがその代表です。

日露戦争後には、現実をありのままに見つめる自然主義が台頭しますが、それに対し独自のスタイルを貫いたのが、教科書でもおなじみの夏目漱石なつめそうせき森鴎外もりおうがいです。

彼らは近代社会に生きる知識人の悩みや知性を深く描き、日本文学の黄金時代を築きました。

文学者主な作品
二葉亭四迷(写実主義)浮雲うきぐも』(言文一致)
正岡子規雑誌『ホトトギス』を創刊
与謝野晶子(ロマン主義)歌集『みだれ髪』
樋口一葉(ロマン主義)『たけくらべ』『にごりえ』
島崎藤村しまざきとうそん(ロマン主義・自然主義文学)詩集『若菜集わかなしゅう』(ロマン) 『破戒はかい』(自然)
田山花袋たやまかたい(自然主義文学)蒲団ふとん』『田舎教師』
夏目漱石『吾輩は猫である』『坊ちゃん』
森鴎外舞姫まいひめ』『阿部一族』『高瀬舟』

教育の普及とこれからの課題

このような文化を支えたのは、人々の教育です。

1872年に学制がくせいが発布され、誰もが教育を受けられる仕組みが整いました。

当初は授業料の負担もあり就学率が伸び悩む時期もありましたが、徐々に上昇。

1907年には義務教育期間6年となり、97%もの子どもが小学校に通うようになりました。

初等教育だけでなく、中等・高等教育に拡充され、1877年に東京帝国大学が設立。

1897年には京都帝国大学も設立され、最高学府としての体制が整えられていきました。

自然科学の分野で世界的にも最先端の研究を行う研究者が登場!

科学者主な業績
北里柴三郎ドイツ人学者コッホのもとで細菌学を研究。破傷風はしょうふう血清療法けっせいりょうほうを確立。
高峰譲吉アドレナリンの抽出とタカジアスターゼの創製。
志賀潔北里柴三郎の弟子。赤痢菌せきりきんを発見し、伝染病研究に貢献した医学者・細菌学者。
大森房吉大森式地震計を考案した、日本地震学の父。
木村栄緯度変化公式の「Z項」を発見し、天文学で活躍。
長岡半太郎原子模型の理論を提唱した、物理学の先駆者。
鈴木梅太郎オリザニン(ビタミンB1)を抽出し、脚気を予防。
野口英世黄熱病おうねつびょう梅毒ばいどくスピロヘータの研究に一生を捧げた医学者・細菌学者。

【一問一答】チェックテスト(問題・解答)

元禄文化から化政文化は江戸時代の中で続いていた感じがしますが、幕末から明治にかけてはがらっと変わりましたね。

明治になると小説は言文一致が進みますので、現代の僕たちでも読みやすい作品がたくさんあります。

漱石や鴎外の小説が図書館にあると思いますので、ぜひ読んでみてください!

今日はここまで。

アリーヴェデルチ!

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